毎日3食寿司を食べたら労働の意味がわかった話

 

結論はタイトルのまんまなので忙しい人はここでこのページを閉じてほしい。

 

 

と前振りをしたものの、毎日寿司を食べる事を自分に課したら働くことの意味が25歳にしてようやくわかったのでちょっとここに書き出したいと思う。

 

 

 

 

コロナの影響で海外旅行の予定が2つも潰れ、インドア派の私もさすがにブチギレている2020年。とりあえずこんな状況下でも出来そうな「やりたい事リスト」を書き出して呟いたのが7月。

 

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そしてこの呟きに友人がリプを送ってきた。

 

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煽られてる。

 


いやおそらく本人は煽ったつもりはないのだろうが(結構長い付き合いなのでわかるぜ)、とにかくこの呟きが私に火を付けた。


やってやろうじゃん???って事で思い立ったが吉日、次の日から1週間3食寿司を食べ続けるチャレンジ「寿司縛り」の日々がはじまった。

 

 


そもそもの話になるが、私は寿司が大好物である。普段の食は細めだが、寿司だけは飲む様に食べる。子供の頃、小食な私に油断した両親が誕生日にカウンターでお好みを許したせいで遠慮のない小学生の私はあらゆる寿司を食べ、ラストスパートにウニ、トロ、アワビの最強ラップをを3〜4周刻み、ビビった親は光り物と巻物しか食べられないという、ちびまる子ちゃんの友蔵の様な事態に陥った事もあった(この話知らん人はググってくれ 神回だから)。

 


これだけ大好きなのだから、毎日食べたらそらメチャメチャ超ハッピー⭐︎と安直に考えていたのだが、この考えは甘かった。

 


まず、朝ごはん問題。

寿司は日持ちがしないため朝一の寿司の確保がめちゃくちゃ難しい。


「築地とか豊洲行けよ」


という正論が飛んできそうだが、毎日勤労に勤しむOLに朝の市場はキツかった。そんな早く起きれない。


「本気出せよ」


と怒られそうだが、私は食欲よりも圧倒的に睡眠欲が強い。ご飯のために早起きする事を継続し続けたらおそらく死ぬ。


いや死ぬってのはさすがに盛ったとしても、めちゃくちゃ不機嫌になってしまうのは不可避。もうスニッカーズ食べる前みたいになってしまうのに寿司しか食えないのだからどうしようもない。多分ムカつく上司のつむじをおもっくそグーで殴ってしまう。コレはガチ。盛ってない。


というかギャランティも発生しない自発的チャレンジでそこまでしたくはない。という事でこの週は毎朝コンビニで買ったおいなりさん(寿司という事にしてくれ頼む)を食べていた。

 


昼食や夜ご飯は会社の近くに美味しいと評判の寿司屋があったため、そこに行こうとおもっていた。しかし、このチャレンジを始めた週は繁忙期でゆっくり外でランチキメる事が出来ず、夜もいつ帰れるかわからない状況のため泣く泣く朝通勤前にちよだ寿司で買ったパック寿司を食べる事になった。

 


〜2020年の気づき〜

なにか挑戦を始めるときはタイミングを見極めよう!

 


この辺りからだいぶ雲行きが怪しかった。

 


まず全然ハッピー⭐︎じゃない。本当なら毎日毎食好物を食べて幸福度バシバシ上げてくつもりだったのに。なんだハッピー⭐︎て。頭お花畑だった自分をブン殴りたくなってくる。


もちろんパック寿司だって普通に美味しいのだが、いかんせん味気がない。皿に持ったところで微妙。ヤマザキ春のパン祭りの白い汎用性バリ高の皿も流石に寿司は想定していない様で、全然マッチしない。

 

やはり寿司はデッケェ下駄みたいな木の板の上か、四角い地味な皿の上でないと美味しそうに見えないのだ。

あいにくそんな皿家にないので、仕方なく回転寿司風にしてみようと小さめの丸皿に2つずつ盛ったら洗い物がバカ増えて母親にエライ怒られた。もっともである。


そんなこんなでおいなりさんとパック寿司を食べ続け、寿司のハイパーインフレを起こし新鮮な感動は消え失せ、酢飯が酸っぱいことにさえイライラしだした頃、更なる試練に襲われた。

 


食あたりである。

 


この件に関して、おいなりさんやパック寿司は全く悪くない。私の管理が悪かったのだ。


寿司は会社からの帰りに次の日のランチ用のパック寿司をお持ち帰りしており、一応夏場なのを加味してかんぴょう巻きをチョイスしてたのだが、生物じゃなくても夏場の寿司はダメだったらしい。

 

 

 


突然だがウォータースライダー、乗ったことあるだろうか。場所にもよるが、サマーランドのウォータースライダーは大人でも怖いくらい高さがあり、トンネル状になったデッカいパイプからは常に誰かの悲鳴が聞こえる。夏のスプラッシュウォーターアトラクション。

 


腸がそうなった。

大腸がサマランのウォータースライダー。

 


お下品にならない様最善を尽くして比喩していくが、もう寿司だったイデアたちがウォーターになって私のバディをスライドしていく。大声で叫びたいところだが、正味声すらでない。


幾度となくお腹をぶっ壊してきた私だが、三本の指に入るキツさだった。


なんで幸せになるための寿司縛りでこんな思いをしなければならないのだろう。会社で血便を拭きながら人生の難しさを考えた。


そんなこんなでアンハッピーに終わった寿司縛りの日々だったが、一つ気づきを得る事ができた。

 

 
人は何のために働くのか

それは生きるため

腹を満たすため

 


もちろん生きるためには衣食住全て必要だが、その中でも食事はずば抜けて大事だという事に気がついた。


「は?今更なに言ってんの?」


と思うだろうが、私はこれまでこの当たり前過ぎる事実を実感した事がなかった。

というのも都内実家暮らしのクソゆとりとして生きてきた為、この25年間、1週間三食自分のメシを自分で用意した事がなかったのだ。

 

 

 

は、はずかしーーーーーーーーーーー

 

 

 

自立力ゼロ。赤ちゃんならともかくOLでこれはきっちい。社会が産んだ可哀想な最悪のバブちゃん。でもこれが私のリアル。マジで甘っちゃんちゃんのクソアマちゃん。


恥じらいの気持ちが高まりすぎて自分の墓石を探しに険しい谷に降りていきたい気持ちだが一度話を戻す。

 

25年間、遊んで暮らしてもあくせく働いても、いつ何時エブリデイお家があって服があって、なによりホカホカご飯が私と共にあった。

 

だから働く意味が全く理解出来ていなかった。私にとって労働は日本人として課せられた義務だから仕方なくもう本当嫌だけどしょーがなくやるものであり「本当は魔法少女になりたかったのに」と毎日ぶつくさ文句を言いながらパソコンと向き合っていた。


それがいざ身銭を切って日々の食事を考える様になって、考えが変わった。

生きるためにはお金が必要で、お金は稼がないといけなくて、稼がないとご飯は買えないのだ。

 

既に自立してる人からしたら舌打ちしながらフォロー外したくなるくらい甘ったれな感想なのは重々承知だが、私個人としては結構衝撃的な気付きだった。


もちろん例外はあるだろうし、これから更に成長していくと、自分のためだけではなく誰かのために働くようになるのだろう。いやぁなんと出遅れているのだ私の人生と精神。10代でデキ婚した地元のヤンキーの方が私よりも優れた人間であることこの上ないQ.E.D

 

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あぁ、この消費期限切れのかんぴょう巻きも、私にとっては意味があったのだ。

 


いいないいな。人間っていいな。

 


遅ればせながら大切な事に気付けたのだから血便くらい安いもんである。

 

辛い尻に薬を1人塗りながら、また一つ大人になるということ知った夏であった。