メンヘラよ「 NANA」に還れ

寂しさに負けたメンヘラが男に思わせぶりなLINEを送って心の寒さをやり過ごしてるであろう今日この頃。みんなは元気だろうか?


私はコカコーラゼロ依存症と戦っているが、そこそこ元気だ。




今回お伝えしたいのは

「メンヘラはNANAを読め」

ということである。




就活の時に「結論から述べよ」と徹底的に洗脳されたせいでつい出オチしてしまった。

ここでこの文章を読むのを止めても全く問題ないのだが、少し説明させてほしい。


昨今「ファッションメンヘラ」や「病み垢」など、心の隙間を示す言葉のバリエーションがニトリの家具ばりに増えてきているがみんなはどうだろうか。メンタル、ちゃんとヘルシーだろうか?


ここで一つ、メンヘラについて言いたいことがある。




【メンヘラだって良いじゃない人間だもの】




というのも、メンヘラというのは危惧すべき害獣として扱われがちだが、松岡修造と血縁関係にない限り誰しもメンヘラになる可能性はあるのだ。


リスカしないとメンヘラになれないなんて事はない。メンヘラはいつだって門戸を広く開いて待っていてくれている。


極端に言えば、西野カナの歌詞に一度でも共感したことがあればメンヘラの才能があるし、誤解を恐れず言うのであれば、aikoの「キラキラ」がプレイリストのお気に入り欄にあるならメンヘラ予備軍である。


繰り返しメンヘラと書き過ぎたせいで軽くゲシュタルト崩壊しつつあるので、メンヘラの定義はこれくらいにしておくが、以上の文を読んで身に覚えがあった人は少なくないのではないだろうか。

 

私はメンヘラを悪者にしたくない。

なぜなら、愛を求めるがあまり苦しいと感じる、極めて人間らしい感情こそがメンヘラの根源であるからだ。


文字を大きくしてまで言うことではないかもしれないが、とにかくメンヘラという生き物は全部が全部そんな恐ろしい生き物という訳ではない(時々シャレにならないメンヘラもいるが)。


そんなこんなで、ライトなメンヘラから左手ザクザクのガチメンヘラまで、幅広いメンヘラに推したいのが伝説の少女漫画「NANA」である。


「よく知らんけど名前は聞いた事ある」という人は多いだろう。

私の周りもそういった友人だらけなのでよくよくわかる。


何を持ってそんな全力でメンヘラに「NANA」を勧めるのかというとNANA」を読む、というショック療法を行うことで、メンがヘラる原因になっていた悩みがちっぽけに思えるという絶大な効果があるからである。


NANA」のストーリーはあらすじで示せるほど簡単ではないので「読んでみて下さい」としか言えないのが非常に歯痒いが、代わりに「NANA」の名シーンをザクザクと紹介していきたい。




まずは「NANA」ーりぼんコミックス1巻、71pのこのシーンを見てほしい。

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耳も目も心も非常に痛いシーンである。これは

「家族の様に育ってきた可愛い愛犬に腰を振られた気分」

という女性の感覚と

「散々振り回された挙句、トモダチという名の便利屋にされた」

という男性の感覚の差が如実に表れているシーンであり、悲しいかな、現実世界でもあるあるな話である。



次は「NANA」ーりぼんコミックス3巻、78pのこのシーンを見てほしい。

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前後のストーリーや詳しいキャラクター説明がなくても、女なら叫ばずにはいられないシーンである。


こんな女が同じクラス、同じ職場にいるだけで自分の恋路はメタメタにされてしまうと、第六感アラームが鳴り響いて止まないこと間違いなしである。



次は「NANA」ーりぼんコミックス13巻、p17のシーン。

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語るだけ野暮である。この世の真理が1コマ目に詰め込まれている。



そして「NANA」ーりぼんコミックス14巻、p13 ファン同士のやりとりである。

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愛というのは同性同士でも牙を剥き、ランク付けされることを生々しく表したシーンである。他人からしたらたかがファンかも知れない。しかし誰かを愛し崇めるファン当事者としては、一人ひとりが戦場で戦う騎士なのである。



最後に「NANA」16巻、p37のこのシーンを紹介する。

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このシーンの何が凄いかというと、冷淡に突き放している様に見えて、よくよく読むと「会いたくなるだけ」と好意は否定していないのだ。

「面倒な女だ」とか「鬱陶しい」だとかいくらでも言い切る事が出来るのに、「会いたくなるだけ」と言うだなんて、怒りながらも愛があるなによりの証拠ではないか。あぁ素晴らしい。




とにかくこの様にメンヘラ、いや、全人類の心と記憶を揺さぶるシーンが「NANA」には散りばめられているのだ。


「辛いのは私だけじゃない!」

と思えるかもしれないし

「こんな世界でどっぷり恋愛をしたい!」

と憧れるかもしれない。


私は「うおおぉ」と一気読みをして心を奪われた後、「NANA」のありとあらゆるシーンがボディーブローの如くズンと後から効いてきた。


刺激が強過ぎてメンヘラが悪化するかもしれないという副作用には注意が必要だが、それでも私はメンタルがずくずくと傷みはじめたそこのあなたに「NANA」を読むことをお勧めしたい。






クソどうでもいいが、このタイトルコールは「やくしまるえつこ」の『少年よ 我に帰れ』という曲をを文字ったものである。

NANA」や「メンヘラ」とは1ミリも関係無いが、いい曲なのでここでこっそりオススメしておく。